闇と深紅に招かれて~召喚編~
”惑い”の入口
木で貼られた床と壁
その壁には天井まで届く棚があり
棚には隙間なく分厚い本が
並んでいる。
後ろに気配を感じて
「ここはどこ?」
訊くと、
「”道しるべ”じゃ。」
てっきりさっきのハムかと思ったのに、
しゃがれた老女な声がした。
ルカは驚いて振り返った。
声のイメージそのままの
枯れ木のような老女がそこにいた。
背はルカより高い。
頭から紫色の布をかぶっているので、
顔ははっきり見えないが、
老木のような肌が伺える。
「お前が行くべき場所を占ってやる。」
ああ、占いの館、なのか。
ルカは納得した。