闇と深紅に招かれて~召喚編~


言うと、ルカの中に

サエコを重ねてみようと

するように、じっとルカを見た。


「キミがここにいて、死神がいて。

ボクには何となく、

何のためにキミがここにいるのか

わかった。」


「えっ?教えて。何で!?」


クズハはじっとルカをみた。

そして、もったいぶって

にっこりとほほ笑む。


「教えない。」


ルカはコケそうになった。

当然、ここは教えて

くれるところだと期待したのだ。

なのに。


「何で教えてくれないの?」


「その方が面白いから。」


「面白い?」


「そう。それに、キミが

その意味をつかめずに、

ただただこの地を

徘徊するだけになって、

生きる気力を失ってくれれば、

その魂を、ハムの餌にすることができる。

ハムは差し出された

魂しか、食えないんだよ。」
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