闇と深紅に招かれて~召喚編~
「ハムの餌のため??」
「そう。ボクも、ハムがどんな魔王なのか、見たい。」
水晶を再びポケットにしまうと、
クズハは、コツコツと歩き出した。
「けど、キミが必死でもがくのを
見るのも楽しいかもしれない。だから」
本棚の前で、ハムに手を差し出す。
すると、クズハの体は
すっと浮かんだ。
「ハムはもうだいぶ
力を取り戻しているんだ。
綺麗な魂なら、あと一つも食らえば
魔王に戻るのかもしれない。」
するとこれは、ハムの力、なのか。
クズハは白くて長いその腕を伸ばし、
まっすぐな指を伸ばして、
分厚い本に挟まれた、薄での二冊を
引き抜いた。