闇と深紅に招かれて~召喚編~


「そう!あたし、顔も変わってない?」


鏡を見てからずっと感じていた

ことを訊いてみた。


「でも、じゃあ、元はどんな顔

だったかって訊かれても、

多分答えられないんだけど。」


ハズキは少し首をかしげた。

それから、


「もしかして・・・」


言って、ルカを眺めまわすと、

手を取って、自分の手をかざした。

そして、何もないルカのてのひらから

何かをつまみあげる手つきをした。

と、

その手に、深く輝く赤いモノを

持っていた。


「あ、おばあちゃんのルビー。」


「これのせいだ。これがキミの

姿を変えてたんだ。」


言って、その手の中で

ルビーを風鈴のように

膨らませた。




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