闇と深紅に招かれて~召喚編~
大きく曲がって
出口の傍まで続いている
その階段に
声の主はいた。
黒ずくめに、黒いマントを
羽織っている。
短めの黒髪に、つり上がった目元。
その瞳は、ルビーに負けない深紅だ。
唇も、血を吸ったように、赤い。
何か、イメージ、吸血鬼、だな。
ルカは思った。
吸血鬼な彼は、階段を下りてくると、
艶然と微笑んで、
「ようこそ。葉っぱのお姫様。」
そうだった、あたしは今、
葉っぱの体だった。
ルカは急に思い出した。
だからかな?
この”森”に足を踏み入れたとたん、
体に力が戻ってきた気がした。
「ところで。」