闇と深紅に招かれて~召喚編~
「ところで、よくここを出られたな。
まずはおめでとう。」
ルカは持ったままだった剣に気付いて
鞘にしまった。
「剣を持っていたのか。
それは幸運だった。
けれど、中で”魂の抜けがら”
を傷つけることは
禁止されている。
どうやら、派手にやっちまっている
みたいだけれど。」
ハントはルカの剣をチラリと見た。
そして、手に持っていた
赤い背表紙の分厚い本をめくった。
「けれど、自己防衛のために、
100体までは手にかけても
特別に許されるのだ。
ルカの場合は、
・・・・・・98体。
ぎりぎりだな。」
ハントはパタンと音をたてて
本を閉じた。
「行ってよし。そして、
俺もお仕事終了。」
「ちょっと待って、あたし、ここに
何者かに放り込まれたんだ。
それって、何でかわからない?」
階段を上がりかけていた
ハントは振り返る。
「それは、知らない。けど」