闇と深紅に招かれて~召喚編~

「なんか、ずるい。」


「そうか?這い出せばよいことだ。

ここはもともと

魂の抜け殻の保管庫なんだ。

魔界で魂を失った者が

”タデ虫”によって

ここに運ばれてくる。」


「じゃ、何で出口があるの?」


「出口というか、

一応俺が中身を管理しているから、

俺が中にはいれるように

なっているだけだ。

たまに紛れ込む者もいるから、

その出口にもなっているのは

事実だが。」


「じゃ、なんで、

出口が見えにくいように

小細工されてるわけ?」


ハントはにっと笑った。


「”魂の抜け殻の保管庫”

ではあるけれど、誰も、

その抜け殻を

探しに来る者はいない。

本来そういうときのために

俺がいるんだけど、

俺はもうずっと、

その仕事をしていない。


< 74 / 107 >

この作品をシェア

pagetop