闇と深紅に招かれて~召喚編~


「不思議なんだ。

ルカって、何者?」


ルカの方が、困る質問だ。

ハントはふっと笑う。


「ルカは”化身の湖”

の水を飲んだ人間、だろ?

人間ごとき、

魔王なら瞬殺できる。

少々罪にはなるんだけれど、

ごまかすことだってできる。

それを、

わざわざこんなところへ

送り込んで

自滅してもらおうなんて。

何かおかしい。

ルカは、

強大な力に狙われながら、

同時に、

同じような力のある者の

庇護下にあるんじゃないかな。

平たく言えば

ルカに手を出すと、

魔王といえども

ただではすまない。

っていう。」


ルカは混乱するしかなかった。

だって、

魔界に

そんな知り合いはいない。

ハムだって、

まだ魔王に返り咲いて

いないはずだし。


「だいたい、なんだって、

魔界なんかにきたんだ?」


「誰かに、落されたみたい。」


「こちらに償還されたわけだな。

誰か、心当たりある?」


ルカは考えた。

何らかの形でかかわっている

という意味でなら、


「おばあちゃん?」


「おばあちゃん!?」




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