闇と深紅に招かれて~召喚編~

カーシーやアキヒト、それに、

クズハまでが名前を知っていた

ことを思い出した。


「うん。冴子っていうんだけど。」


ハントは大きく身を引いて

驚いた。

知っているのか

訊かなくてもわかる反応だ。


「サエコって、あの・・・いや、

自分の目で確かめたらいい。」



言うと、ルカの手を取って、

歩き出した。

森を進んで

視界が開けた先に、洋館が見えた。

その中に、

ハントはツカツカと入って行った。

ドアをあけ、

赤絨毯のホールがあった。

二階まで吹き抜けの、

広いホール。

左右には湾曲して二階へ向かう

階段があり、

二階の手すりの向こうに、

肖像画が

かかっている。

ハントは

それを指さした。


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