【ｺﾗﾎﾞ】碧きコ惑のミューゼ～黄昏の彼方～
あれは、何の弾だったんだろう。
静かだった。
サイレンサーなんてつけてないのに。
音なんか消えないはずだ。
それとも、
サイレンサーをつけると、
狙いが若干甘くなるから、
弾のほうにその性能を持たせた？
とか。
どこもかしこも中世のままのような
街の中で、
石の壁に身を潜めた。
遠くでエンジンのかかる音がして
走り出した。
ピックアップトラックが、目の前を
走り去る。
その瞬間、中に居たエメラルドの目と
目が合った。
ベリル。
何かが、意識の中でざわついた。
思い出したくない。
自分の意識を守るために封鎖していた
記憶が、その結界が、
めりっ。
壊れた。
ベリルの
あの姿。
あの身のこなし。
それに･･･
あの瞳の色。
カレンを殺した、あいつそのものだ。
ベリルだったんだ。
ベリルが、カレンを殺した。
