【ｺﾗﾎﾞ】碧きコ惑のミューゼ～黄昏の彼方～

ターゲット

ロックオン

ノインは、少し大きな街まで出て、
コンビニで食べ物を調達した。
ここは日本と違い、
ショッピングセンターとか
スーパーなんてないようだった。
食事つきのツアーなんかで来るには
いいかもしれないけれど、
自力で食料を確保するのは、
しかも、レストランに入るほど
余裕のない者にとっては
なかなか大変だ。
ノインは、お釣りを間違われない
ように、しっかり睨みを利かせて
いた。
ここはイタリアなのだ。
隙あらば、いや、隙なんかなくても、
ニコニコ笑顔でお金をごまかす。
キリスト教の国なのに、こんなんで
キリスト様は怒らないのかと
頭にくる。
おまけに、店員の商品の扱いが
ひどかった。
かごに入れるわけでもなく、
滑り止めのついたカウンターの上を、
ピっ。
したものから滑らせるのだけれど、
中身がはじけて出そうなくらい
思い切り、
滑り止めにぶつけていた。
コイツ、コロス。
ノインはさすがに普通に
そう思った。
ベリルを撃つ。
その目的さえ達成させられれば、
そのくらいのコトは
もみ消してくれるかもしれない。
そう思うと、
笑みがこぼれた。
満面の笑みで店員に
「グラッチェ」
を言うと、彼女は不審そうに
ノインを見た。