【コラボ】碧きコ惑のミューゼ~黄昏の彼方~
それまでに、どれだけ人を
殺したか。
同じように孤児になって、
同じように兵隊になった友達は、
独り殺した瞬間に、兵隊を辞めた。
「もう、ボクにはできない。」
幼い兄弟を食べさせるための、
高い給料を、彼は放り出した。
けれど、ノインには、それが
理解できなかった。
相手の命を、
命として
認識できなかったのだ。
やみくもに、殺してきた。
「なかなか、いい目だ。」
ある日、やってきたおっさんに
そう言われて、
そこから連れ出され、
今度はもっといい環境で、
特殊訓練なるものを受けさされた。
ノインは
ものすごくよく、
それを吸収したようだ。
一人一人、丁寧に狙って
確実にやる。
そういうことを
教わった。
この頃には、それを
確実に楽しんでいた。
思い出していただけで、
自分の背後で、何かが
ふふふ
って笑う。
”そうでしょう?
はやく戻っておいで?”
自分の中に閉じ込めた
魔物が、ノインを招く。