【コラボ】碧きコ惑のミューゼ~黄昏の彼方~
現われたもの
そして、
「あたしはこれからどうしたらいい?」
素直に訊いた。
「こんな物騒なものを扱えるだけの組
織だ。逃げられると思わないほうがい
いぞ。お前は生きている限り追われる。
悠長に大学へはいけないだろう」
レインは、目を見開いてベリルを見た。
「せっかく入ったのに?入学金だって
払い込んだし、そのせいで、当座の生
活費までなくなったっていうのに?」
「そうだ」
「逃げられないって。じゃあ、いつか
捕まって、あんたを肉片にできなかっ
た腹いせに殺されたりなんか」
ノインは、言っていて、ゾッとした。
「うそ」
「いや、おそらくそうなるだろう。私
と接触して、任務を放棄したのだ。カ
ートリッジの中身を知ったかも知れな
いという理由で、抹殺されるかもしれ
ん。組織自体を消滅させない限り」
消滅。
ノインはその弾丸の込められた、銃を、
見た。それから、ゆっくりとその銃口
をベリルに向ける。
「誰が任務を放棄したって言った?」
ノインは、自分の愛用拳銃を左手に取
った。