【コラボ】碧きコ惑のミューゼ~黄昏の彼方~
「大丈夫か?」
目を覚ますと、横向きに寝ていて、リ
ヒターが覗き込んでいた。
ドライに似た、真剣な目。
「急に倒れるから、驚いた」
今は、どのリヒターかな。
ちょっと思って黙っていたけれど、彼
は、濡れタオルをノインの額からかっ
さらって遠ざかっていく。
愛想なし。
けれど、乱暴でもない。
もしかすると、これがリヒターの素の
姿なのかもしれないと思った。
「すごい熱だ。その背中の傷のせいじ
ゃないか?」
冷たいタオルがそっと額に置かれた。
気持ちいい。
「薬、のんどきなよ」
リヒターの掌にある、薬を、チラリと
見ると、その掌を捕まえて、直接薬を
口へ落とし込んだ。
「水」
コップの水を、恨めしく見る。