【コラボ】碧きコ惑のミューゼ~黄昏の彼方~

しかも立ち飲みするより、
奥まったテーブルで飲むほうが
金額が高いのだ。
それを・・・
くっ。
いいな、ベリル。
思いつつ。
ポケットの拳銃を取り出した。
昔馴染みの銃の方だ。
ドイツ軍なんかで使われている、
メジャーなヤツだ。
ノインはそれを腕を伸ばして構えると、
一歩、店内へ入った。
誰も、
ノインの動きに気づかない。
ただ、テーブルにいたベリルと、
その連れなのか、
近くでウィスキーらしき琥珀を
あおっていた人物とが
ノインを見た。
二人はノインの姿を認めると、
すっと身構えた。
さすがに人気者だけのことはある。
どういう状況でも
気を抜かないってか。
撃つつもりはなかったのだけれど、
つい、撃ちたくなった。
連れのほうは無視して、
ベリルの胸を撃った。
そして、
動くであろう動線上の一点も、
続けて撃った。
けれど、
ベリルは、どちらの弾丸からも、
見えているかのように、
華麗に身をかわした。



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