【コラボ】碧きコ惑のミューゼ~黄昏の彼方~

落ち着いた色に沈んだ瞳がノインを見つめている。

「組織のことは忘れろ」

その声が言った。

「さよなら、ノイン」

かすれる声で呟いて、リヒターはノインにキスした。

ノインは驚いた。

口の中に苦いモノが走ったから。

けれど、押さえつけられていて、それを吐き出すことも出来なかった。

ノインはぐらりと倒れて、リヒターはその身体を支えていた。

「もういいか?リヒター?」

ベリルが背中で呼びかけた。

「ああ。けど、ひとつ頼みがある。

ノインに薬を、飲ませた。

これで、ノインはこの香りに関することはすべて忘れる」


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