光を背負う、僕ら。―第1楽章―
あたしも手にシャープペンシルを持ったまま腰を上げた。
全員が立ったのを確認した室長は、大きな声で言う。
「気をつけ、礼!」
「ありがとうございましたー」
ザワザワザワザワ…
礼が終わると、教室内は授業中とは打って変わって一気に騒がしくなった。
そんな中で、黒板に書かれていることを急いでノートに写していく。
日直さんに消されないうちに、さっさと写さないと…。
そう思ったが、実を言うとそんな心配はほとんどいらない。
6限目の次にあるのは帰りの学活だけ。
そのせいかして、だいたいの日直さんは、この時間は黒板を消すのを忘れるのだ。
あたしはスラスラとノートに写していく。
そしてなんとか、休み時間が終わる前に写し終えることが出来た。
キーンコーンカーンコーン…
そしてタイミングよくチャイムが鳴り、クラスメートのほとんどは自分の席に着く。
だけどちらほらと立っているクラスメートの姿が伺えた。
こういう光景は、この学校では日常茶飯事のことだ。