光を背負う、僕ら。―第１楽章―
「爽守高校……か。」




プリントを手に取って呟いた。



その声があたしには、何度もリピートされたように頭に響いた。



爽守高校は、大学への合格率が県内の県立高校の中でトップ3に入るほどの進学校だ。



お母さんは、爽守高校の卒業生。



ちなみにお父さんはお母さんが口にしていた西澤高校の卒業生だ。



西澤高校も、もちろんトップ3に入っている。



お母さんはあたしに西澤高校に行ってほしいみたいだけど、今のところ成績的には爽守高校が一番あっている。



もちろん頑張れば西澤高校にだって行ける。



だけど今希望しているのは爽守高校。



だけど、あたしはあまりそのことに対して乗り気ではない。



だってあたしは、一度も「西澤高校に行く」とも「爽守高校に行く」とも言っていない。



言っているのはすべてお母さんだ。



でもそれに不満があるわけじゃない。



進学校に行くことは前から両親に当たり前のように言われていたし、あたしもそれが当たり前なんだと思ってる。



それにあたしは特に行きたい学校があるわけでもない。



だから、これでいいんだと思う。



でも、何かが足りないみたいな…そんな感じがするんだ。




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