光を背負う、僕ら。―第1楽章―
英語係とは、英語の授業で使ったプリントを集めたり配ったりなど、英語の授業に関する仕事をする係のことだ。



他の教科にも同じような係がある。



あたしはその中の一つである英語係なのだ。



もちろん明日美も流歌も同じ英語係。



実を言うと最近、英語係の仕事がまったくなかった。



そう思っていた矢先に明日美と流歌が渡されてきたプリントの山。




まさか、こんなに溜まっていたなんて……。




「よしっ、分けれたっと。」




苦笑いするあたしと流歌の隣りで、明日美がそう言った。




「じゃあ、配ろうっと。」




明日美が分けてくれたプリントを受け取る。



すると、ズシッとした重みが伝わってきた。



たくさんのプリントを三等分したとはいえ、意外に一人分も多いのだと実感する。



ましてやサイズの大きなプリントばかりのせいで、余計にかさばって感じられた。




さーて、配るぞ。




そう意気込んだけど、ある難点に気付く。




このプリント、席替えをする前に集められてるよ…。



まいったなぁ…。




いつもプリントは、列の一番後ろの人が集める。



だからいつもプリントは、席順に並んでいるのだ。




< 116 / 546 >

この作品をシェア

pagetop