光を背負う、僕ら。―第1楽章―
そして先生は小さくため息をつくと、配布物を配ったり、連絡事項を言ったりした。
キーンコーンカーンコーン…
そうこうしている間に、早くも帰りの学活の終わりを告げるチャイムが鳴る。
「…最後に。 今朝渡した進路希望調査はちゃんと書いてくるように。 あと、何回も言うけど無くさないようにしなさい。 では室長、号令を!」
先生はチャイムが鳴る中で、大きく声を張り上げて言った。
それでもやっぱり先生の声はチャイムの音に書き消されていて、少し聞きづらかった。
それにみんな、チャイムが鳴った途端に部活に行く準備をし始めていたから、きっと先生の声に耳は傾けていないだろう。
「きりーつ」
ちょうどチャイムが鳴り終わった時に号令をかける室長。
みんなが次々に立つ。
「気をつけ、礼!」
「さようならー」
号令が終わると、みんなバタバタと騒がしく教室から出て行った。
みんな部活をしに向かうのだ。
あたしもそんな人達の流れに飲まれるように、身の回りの準備をやり始めた。
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