光を背負う、僕ら。―第1楽章―
こんなにあの二人のことを考えてしまうのは、なぜなの?



天気が雨だと、あたしの心にまで雨が降っているのかな…。




そう思いながらベッドに腰掛けようとした時、あたしの目にあるものが止まる。



一旦座ろうとしていたけれど、あたしはそれに惹かれたように動き出した。



勉強机の本立てに置かれたそれ。



おもむろに本立てからそれを取り出したあたしは、それを持ったまま勉強机に備えつけられているイスに座る。




「懐かしいなぁ…。」




ボソリと呟き、それを机に置いて眺める。




【平成〇〇年度広岡小学校卒業アルバム】




あたしが眺めるそれの表紙には、その文字が金色に輝いている。



綺麗な色をした表紙とカバーで出来た、母校の卒業アルバム。



それをカバーから取り出して、表紙をめくった。



開くと最初には、小学校の建物や校庭などの写真が掲載されている。



それをしみじみと眺めた後、スローモーションのようにページをめくった。



次に掲載されているのは、母校の校歌。



そして、校長先生を始めとするお世話になった先生方の写真と名前が掲載されている。




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