光を背負う、僕ら。―第1楽章―
六年間、集会や式などで歌い続けてきた校歌は、今でもはっきりと覚えている。



頭の中で馴染みのある校歌を思い浮かべながら、先生達の写真を見る。



担任だった先生。
隣りのクラスの担任だった先生。
他の学生の先生達。
教務の先生。
保健室の先生。
草刈りをしていただいた、用務員のおじいさん。
毎日給食を作ってくれていたおばさん達。



どの人の顔も、はっきりと目に焼き付いている。




今思い返せば、あたしはたくさんの人にお世話になっていたんだなぁ。




そのことを今になって気付き、深く感謝した。




先生達、元気かな…。




アルバムの写真に載っている先生達は、今はもう母校にいない。



三年という月日が経った今は、先生達は母校から離任している。



きっと別の小学校で、元気にやっていることだろう。




「本当、懐かしい。」




二度目の「懐かしい」を呟き、ページをめくる。



次のページは、クラス写真だった。



6年1組だった子達と、6年1組の担任だった先生の顔写真がズラリと並ぶ。



あたしは6年2組だったので、ここにあたしの写真は載っていない。



あたしは、開いたそのページをゆっくりと見ていく。




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