光を背負う、僕ら。―第1楽章―
男子は女子と違い、声変わりがある。
一説によれば女子にも声変わりがあるらしいけど、そんなの、全然わからない。
女子と違って声が変わったりしていく男子が、あたしには少し大人に見えた。
それは今でも変わらない。
女子だって、変わっていく。
でも、男子の変化にあたしは敏感だった。
きっとそれは、この人を見ていたから…。
この人の変化を、ずっと見ていたからかもしれない。
あたしは自分が見てきた人の顔写真を、まるで吸い込まれるように見入った。
「伸一君は、変わったね…。」
小声で好きな人の名前を呼び、好きな人の写真を見る。
伸一君は、変わった。
見た目だけじゃない、性格も少しずつ変わった。
そしてあたし達の関係も、あの頃と変わったね…。
それはあたしも、変わっているからかな…。
あたしはそっと、瞼は伏せる。
『佐奈』
すると不思議なことに、雨に混ざって懐かしい声が聞こえてきた。
あたしのことを『麻木』と名字で呼ぶのではなく、『佐奈』と名前で呼んでくれる伸一君の声が――…。
一説によれば女子にも声変わりがあるらしいけど、そんなの、全然わからない。
女子と違って声が変わったりしていく男子が、あたしには少し大人に見えた。
それは今でも変わらない。
女子だって、変わっていく。
でも、男子の変化にあたしは敏感だった。
きっとそれは、この人を見ていたから…。
この人の変化を、ずっと見ていたからかもしれない。
あたしは自分が見てきた人の顔写真を、まるで吸い込まれるように見入った。
「伸一君は、変わったね…。」
小声で好きな人の名前を呼び、好きな人の写真を見る。
伸一君は、変わった。
見た目だけじゃない、性格も少しずつ変わった。
そしてあたし達の関係も、あの頃と変わったね…。
それはあたしも、変わっているからかな…。
あたしはそっと、瞼は伏せる。
『佐奈』
すると不思議なことに、雨に混ざって懐かしい声が聞こえてきた。
あたしのことを『麻木』と名字で呼ぶのではなく、『佐奈』と名前で呼んでくれる伸一君の声が――…。