光を背負う、僕ら。―第1楽章―
そんな自分がいることで、改めて自分は伸一君のことが好きなんだと実感した。




そもそも、伸一君のことを好きになったのはいつだったっけ?




伸一君を見ながら、ふと自分に問い掛ける。



伸一君と出会ったのは、小学一年生の時。



あたしは幼稚園出身で伸一君は保育園出身だから、出会いはその時。



クラスは違ったけれど、伸一君の姿を見た時、カッコいい子だなぁと幼いながらに思った記憶が頭の片隅にある。



でも、その時好きになったって感じではない。



そんな中、伸一君はモテていた。



小学校の中学年に上がった頃、伸一君を好きだっていう子は何人かいた。



告白までした子がいるという話だって、小耳に挟んでいる。



多分、その頃だ。


あたしも伸一君のことが好きなんだと実感したのは。



みんなが伸一君のことを「カッコいい」だと、か「好き」だとか言ってキャーキャー騒ぐ中、伸一君に恋をした。



ある程度は、周りの人達に洗脳されて好きになったのかもしれない。



あの頃は、二人に一人の女子が伸一を好きだった。



自分も伸一君を好きでいなきゃという思いが、周りの人達の影響で生まれていたと言っても過言ではない。





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