光を背負う、僕ら。―第1楽章―
バサッ…
…何の音?
「うわっ…。 最悪だ」
あたしはそう言った伸一君の声に反応して、伸一君の方に振り向いた。
するとそこには、無残にも床に散らばっているプリントがあった。
あたしはがそれを見た直後、伸一君は嫌そうな顔をしながらプリントを拾い始めた。
あれって…。
さっき伸一君が整理していたプリントだよね…。
「………」
黙ったまま、ゆっくりとスクールバックのチャックを閉めた。
そしてその後伸一君の近くに行き、落ちているプリント静かにを拾い始めた。
一枚一枚、丁寧に拾い集めていく。
あたしが数枚拾い集めた時、伸一君があたしの存在に気付いた。
「麻木、ありがとな」
「う…うん」
二人で拾っていると、すぐに拾い終わった。
変な考えだけど、この時あたしはもっと長く一緒に拾っていたいと思ったんだ。
「これで全部だと思うよ」
近くにあった机でプリントの束を整えて、伸一君に差し出した。
「わりぃな。 ありがと」
伸一君は少し微笑んでそう言った。
その微笑みに、あたしの胸はドキッとする。