光を背負う、僕ら。―第1楽章―
不思議なことに、達也君の瞳もいつしか伸一君と同じ瞳に変わっていた。




…そうか。


伸一君はいつしか、周りの人に自分と同じオーラを与えているんだ。



キラキラとした、純粋なオーラを。




この時あたしは気付いていなかった。



自分も伸一君のオーラに影響されて、笑顔が増えているということを…。




「…そうだ。」




伸一君はフッと何かを思い付いたようだ。




「せっかく俺らは運命仲間なんだし、その証みたいなもの作らないか?」



「なんだよ、運命仲間って。」




達也君の質問に、伸一君はサラリと答えた。




「えっ?運命で繋がってるから運命仲間。」



「なんだそれっ!」



「まぁ、細かいことは気にすんなって。とりあえず証を作ろうと思うんだけど、佐奈はどう思う?」



「えっ?えっと…。」




先ほどまで会話に入っていなかった自分に突然話をふられて、思わず声が裏返りそうになった。



だけどそれをなんとかおさえて、返事をする。




「いいと思うよ?けど、証って何を作るの?」



「そうだなー…。」




伸一君は腕を組み、視線を宙に泳がせた。





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