光を背負う、僕ら。―第1楽章―
「じゃあ、決まりだな。」



「おい、俺の意見はなしかよ。」




楽しげに言った伸一君の言葉を遮ったのは、達也君だった。




「達也、反対なのか?」



「いや…反対じゃない。俺とか伸一は普通に佐奈や真奈のこと呼び捨てにしてるし。でもさ、聞いてくれてもよくね?」




達也君は少しすねた表情になる。



なんだかその姿が可愛らしくて、プッと笑ってしまった。



するとその直後、伸一君も同じように笑った。




「なんだよお前ら。二人して笑って。」




達也君は更にすねた表情になるが、どこかその表情には笑みも含まれていた。




「だって、達也の表情がおもしれーんだもん。なー、佐奈。」



「だよね、伸一。達也の表情が、ね。」




同意を求められてそう返したあたしだけど、言った後、ハッと気付いた。




あたし、今…。


二人のことを、自然に呼び捨てにしてた…。



今となって急に恥ずかしさが込み上げる。



けど二人の言葉で、いつしかその恥ずかしさも吹き飛ぶ。





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