光を背負う、僕ら。―第1楽章―
そう心から強く、願った時だった。
さっきまで教室内に響き渡って男子の騒ぎ声が収まり、変わりに教室内は女子のざわめく声でうめ尽くされた。
どうやら、女子の席の発表が始まったらしい。
「あっ…俺、ちょー微妙な席じゃん。」
聞こえた伸一の声からは、顔を見なくても渋い表情になっているのがわかった。
男子の名前だけが書かれた黒板を見る。
あたしは自分の席はどこかということはそっちのけで、伸一の名前を必死に探し始めた。
探し始めてほんの数秒、探していた名前は思ったよりもあっけなく見つかった。
伸一の名前は廊下側から二列目の、前から二番目だった。
窓側から廊下側へと大移動しているものの、前の方の席ということはあまり変わっていない。
しかも伸一の希望の席は後ろの方だったから、声が自然と暗くなることは理解出来た。
「残念だったな、伸一!」
にししっと、達也が嫌味のように笑うと、伸一はうなだれるわけでも怒るわけでもなく、不気味な笑みを浮かべた。
さっきまで教室内に響き渡って男子の騒ぎ声が収まり、変わりに教室内は女子のざわめく声でうめ尽くされた。
どうやら、女子の席の発表が始まったらしい。
「あっ…俺、ちょー微妙な席じゃん。」
聞こえた伸一の声からは、顔を見なくても渋い表情になっているのがわかった。
男子の名前だけが書かれた黒板を見る。
あたしは自分の席はどこかということはそっちのけで、伸一の名前を必死に探し始めた。
探し始めてほんの数秒、探していた名前は思ったよりもあっけなく見つかった。
伸一の名前は廊下側から二列目の、前から二番目だった。
窓側から廊下側へと大移動しているものの、前の方の席ということはあまり変わっていない。
しかも伸一の希望の席は後ろの方だったから、声が自然と暗くなることは理解出来た。
「残念だったな、伸一!」
にししっと、達也が嫌味のように笑うと、伸一はうなだれるわけでも怒るわけでもなく、不気味な笑みを浮かべた。