光を背負う、僕ら。―第1楽章―
せっかく芽生えたこの気持ちを踏みにじるなんて、ダメだよね。



それに、ちょっと席が離れてしまっただけで諦めようなんて、今思うと逃げてただけなんだ。



伸一の隣りの席の真奈に嫉妬して、二人の姿を見て傷つくことから。




頑張ろう、あたし。



伸一と話すことすらままならなかった頃とは全然違う。



今は目の前で伸一が笑ってくれる距離にいるんだ。



だから、諦めずに頑張ろう――。




再確認した自分の気持ちに、深く誓った。



今度こそ気持ちがブレてしまわないように、しっかりと…。




…この時、あたしの長い恋が始まった。








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