光を背負う、僕ら。―第１楽章―
「ありがとう、頼りにするね！」




実夏はいつも、頼もしいなぁ…。




そう思いながら、運動場に再度視線を向けた。



たくさんの人がいる中、いつだって探す人物の姿は決まってる。



しばらく黙って運動場を見渡した。



実夏はあたしが誰の姿を探しているのか、雰囲気で察して多分気付いていたのだろう。



何も言わずに、その場にいてくれた。




しばらく運動場を見て、探していた人物を見つけた。



髪型、今日の服装、時折こぼれる輝かしい笑顔。



それだけで、探していた人物を見つけ出すことが出来る。



見つけた人物は、サッカーをしていた。



そしてちょうど、達也からサッカーボールをパスされた瞬間だった。



その際、サッカーをしている人達がいる周辺から、ザワザワと声が響き渡ってくる。




「行け！伸一！」




誰かが言ったその声が、風に乗ってあたし達がいるベランダにまではっきりと聞こえてきた。



その瞬間、伸一は一気にドリブルをしながらゴールに向かう。



思わず、息を止めてその瞬間を見る。





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