光を背負う、僕ら。―第1楽章―
伸一のドリブルするスピードがぐんと加速する。



伸一は前後左右に立ちはだかる敵チームの人達の間をスイスイと通り抜け、そのままキーパーが守りの態勢に入ったゴールに目がけて勢いよくシュートを放った。



伸一がシュートしたボールはフワッと地面から浮き上がり、白いゴールへ弧を描いて飛んで行く。



そしてボールはそのままキーパーの体の横をすり抜けて、まるで吸い込まれるようにゴールに入っていった。




「よっしゃぁー!!」




伸一や伸一と同じチームの人達の喜びの声が、一瞬にして運動場に響き渡った。



もちろん、このベランダにまで。




「すごいね、シュート決まった。」




実夏もさっきの瞬間を見ていたらしく、そんな言葉を漏らした。



だけどあたしは言葉を失っていて、実夏の言葉に反応することが出来なかった。




やっぱり、伸一はすごい。



それに、サッカーをしている時の伸一は、一段とかっこよく見えるよ。




……好き。




君のかっこいいところを見る度に、その気持ちは膨らんでいくばかり。





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