光を背負う、僕ら。―第1楽章―
ちょっとしたことでも、君にときめいてる。



好き。
好き、好き。
スキ――。



君のことが好きすぎて、本当はどうしようもない。



だけど、君の一番はあたしじゃない。



だから、もう少し…。



もう少しだけ、こうやって遠くから君の姿を見つめてる。



まだ君のこと、好きでいてもいいですか――?





気がつけばあたしは、笑顔で仲間に囲まれる伸一の姿に、そう心の中で問い掛けていた。






キーンコーンカーンコーン……





お昼休みが終わることと、掃除の時間が始まることを告げるチャイム。



それがあたしを我に返した。




「掃除行こっか。」



「…うん、そうだね。」




実夏の言葉に、少しだけ清々しい気持ちでそう返事をする。



お昼休みの間に、あたしの気持ちはほんの少しだけ明るくなった。



それは実夏のおかげで、自分の気持ちと向き合うことが出来たからだ。



これなら、これからも頑張れるよね…?



再確認するようにそう自分に問い質しながら、自分の掃除場所に向かうために実夏と教室を出た。



あたしの知らないところで、大きなショックを与える雷を伴った、真っ黒な暗雲が立ち上ぼっているとは知らずに――。





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