光を背負う、僕ら。―第1楽章―
壊れていく恋心
「今日のプール寒かったね。」
「うん、寒かったー。途中から曇ってきたもんね。」
放課後の昇降口。
5、6限目にあったプールの授業で濡れたままの髪の毛をタオルで拭きながら、同じ方向に帰る友達と些細な会話を交わす。
自分の長い髪の毛に含まれたままの水分をタオルで念入りに拭き取りながら、つま先で地面を蹴ってスニーカーを履く。
「そういえば佐奈ちゃん、今日の泳ぎ方上手かったよ。」
「そうかな?ありがとう。」
体育が基本苦手なあたしは、水泳も苦手だ。
それでもなんとか上手く泳げるようになろうと思っているあたしにとっては、水泳が上手い友達にそう言われて気分が弾む。
どうやら、泣いて腫れた目をごまかすために無我夢中泳いでいた努力が、実を結んだらしい。
よかった。
おかげで泳ぎもマスター出来てきたし。
「雨、降りそうだね。」
「うん。降られないうちに早く帰ろう。」
友達の声で、昇降口の中から空を見上げる。
するとそこには、いかにも雨をこぼしそうな濃い灰色の分厚い雲が広がっていた。
「うん、寒かったー。途中から曇ってきたもんね。」
放課後の昇降口。
5、6限目にあったプールの授業で濡れたままの髪の毛をタオルで拭きながら、同じ方向に帰る友達と些細な会話を交わす。
自分の長い髪の毛に含まれたままの水分をタオルで念入りに拭き取りながら、つま先で地面を蹴ってスニーカーを履く。
「そういえば佐奈ちゃん、今日の泳ぎ方上手かったよ。」
「そうかな?ありがとう。」
体育が基本苦手なあたしは、水泳も苦手だ。
それでもなんとか上手く泳げるようになろうと思っているあたしにとっては、水泳が上手い友達にそう言われて気分が弾む。
どうやら、泣いて腫れた目をごまかすために無我夢中泳いでいた努力が、実を結んだらしい。
よかった。
おかげで泳ぎもマスター出来てきたし。
「雨、降りそうだね。」
「うん。降られないうちに早く帰ろう。」
友達の声で、昇降口の中から空を見上げる。
するとそこには、いかにも雨をこぼしそうな濃い灰色の分厚い雲が広がっていた。