光を背負う、僕ら。―第1楽章―
放課後の校舎は、とても物静かだった。



児童は皆下校し、時折職員室の方から先生達の話し声が聞こえるぐらいで、それ以外の声や音はまったく聞こえない。



そんな校舎に足音を響かせると、遠くまで響いた音が反響してくる。



その音を耳にしながら6年2組の教室に向かった。




外は雨雲のせいで薄暗く、そのせいで校舎の中は外より暗い。



ましてや児童が帰った後の廊下や教室には電気が点いておらず、より一層暗さが増していた。



だけど自分のクラスの教室がある3階に着いた時、明かりが点いている教室があった。



廊下を歩いて行くと、手前には6年1組の教室、奥には6年2組の教室がある。



電気が点いているのは奥の教室で、今あたしが向かっている場所が電気の点いている場所だった。




あれっ?

誰かまだ残ってるのかな?




教室の前まで来た時、中から男女複数の声が聞こえてきた。



声の数からして結構な人数が中にいることがわかるけれど、聞こえる声が小さくて会話は聞きづらい。



そのため、誰が教室にいるのかはわからなかった。




珍しいな。

放課後の教室に人が残ってるなんて。



いつもはみんな、放課後になるとすぐに帰るのに。





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