光を背負う、僕ら。―第1楽章―
誰が残ってるんだろうなーと能天気な考えを頭に浮かべながら、きっちりと閉まっているドアに手をかける。



そして何のためらいもなく、ガラッという音を立ててドアを開けた。




その瞬間だった。



さっきまで聞こえていた話し声が、一瞬にしてピタリと止む。



そして中にいた人物達はあたしが開けたドアの音に反応して、一斉にこちらに振り向く。



そしてあたしの視線も、自然とその人物達に向いていた。




「あっ。」




複数いる人達の中で中心とも言える場所にいた男子が、あたしの姿を見て声を上げた。



あたしの口からも同じ言葉が出かかっていたけれど、さっきの声の主の姿を両目でしっかりと捕えた瞬間、言葉は喉元で詰まってしまった。




あたしはなんて、ついてないのだろう。



ただでさえ忘れ物をしてまた教室に戻ってくるという手間を作ってしまったというのに、よりによって戻ってきた教室で、あたしが今一番見たくない光景を見てしまうなんて……。




こんなことを思ったのは、教室内にいた人物達に理由がある。



教室の中にいたのは、男女4、5人ずつの計10人程度の集団。





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