光を背負う、僕ら。―第1楽章―
無意識のうちに“伸一君”と呼んでいたとはいえ、きっとそれはあたしの心がした行動。
心がもう、頑張れなかった。
友達としての距離のままでいることに。
あたしはいつの間にか、伸一のことを好きになりすぎていた。
傷付くことから、逃げてしまうほどに。
そしてあの時からあたしは、伸一のことを『伸一君』と呼ぶことにしたのだ。
自分の気持ちを封印するとともに…。
だけどあたしが『伸一君』と呼べたのは、小学校を卒業するまでの話。
中学校に入学してからの変化は、著しいものだった。
男女仲が良かったあたし達だけど、いつしかそれも変わってしまった。
男女の間には壁みたいなものが出来てしまい、今では以前のように男女仲が良いなんてことはほとんどない。
男女の関係は主に、付き合ったりするものに変わってしまった。
その変化の証のように、男子と女子がお互いを名前で呼び捨てにすることはなくなってしまった。
だからあたしも伸一のことを“伸一君”とすら呼ぶことが出来なくて、『佐藤君』と呼ぶようになった。
もちろんそれは伸一も、あたしの事を『麻木さん』と呼ぶようになったわけで……。
心がもう、頑張れなかった。
友達としての距離のままでいることに。
あたしはいつの間にか、伸一のことを好きになりすぎていた。
傷付くことから、逃げてしまうほどに。
そしてあの時からあたしは、伸一のことを『伸一君』と呼ぶことにしたのだ。
自分の気持ちを封印するとともに…。
だけどあたしが『伸一君』と呼べたのは、小学校を卒業するまでの話。
中学校に入学してからの変化は、著しいものだった。
男女仲が良かったあたし達だけど、いつしかそれも変わってしまった。
男女の間には壁みたいなものが出来てしまい、今では以前のように男女仲が良いなんてことはほとんどない。
男女の関係は主に、付き合ったりするものに変わってしまった。
その変化の証のように、男子と女子がお互いを名前で呼び捨てにすることはなくなってしまった。
だからあたしも伸一のことを“伸一君”とすら呼ぶことが出来なくて、『佐藤君』と呼ぶようになった。
もちろんそれは伸一も、あたしの事を『麻木さん』と呼ぶようになったわけで……。