光を背負う、僕ら。―第1楽章―
意志を引き止める悩み
季節は、初夏。
7月の空は青々としていて、綿飴のような入道雲がそんな空の中にぽつんと浮いている。
夏の太陽が照らす日差しに負けてしまいそうな日々もあるけれど、あたし達中学三年生はそう簡単に暑さには負けていられない。
三年生の夏といえば、部活を引退する時期。
中には夏以降に大会があってまだ引退しない運動部なんかもあったりするけれど、ほとんどはこの夏の大会を最後に引退をする。
だから運動部も文化部も、みんな毎日が必死だった。
悔いの残らない試合をするために、少しでも上を目指すために。
その一方で、勉強の方も着々と受験の準備がされていた。
学校の授業に力が入っているのはもちろんのこと、塾も力が入っていた。
夏期講習などの申し込み受付けの広告を、最近よく見掛ける。
確か今朝もポストに広告が入ってたっけ。
あたしはもちろんのごとく、通っている塾の夏期講習に参加するのだけれど。