光を背負う、僕ら。―第１楽章―
あたしの両サイドに立っていた明日美と流歌も、驚いていた。



驚いていないのはあたしぐらいだった。




みんな…知らなかったんだ。



あたしは知ってたんだけど…。




あたしは驚いてパニックになり出すみんなの姿を、呆然と見ていた。




「あらっ？みんな知らなかったんだ。」




鈴木先生もあたしと同じように、呆然としながらそう呟く。



小春ちゃんもみんなの驚き様に、さすがにびっくりしているみたいだった。




「小春のお母さんが東條学園出身だったなんて、やっぱすごいね！」



「さすがピアニストになっただけあるよね～！」




みんなが感心の声をあげるうちに、辺りは一気に騒がしくなった。





パンッ、パンッ！！





突然、手を叩く音が鳴り響いた。




「はいはい、みんな。興奮する気持ちはわかるけど、本題からずれたので戻します！」




どうやら、さっき手を叩いたのは鈴木先生らしい。



鈴木先生は騒がしくなり始めた空気を変える様な勢いでそう言った。




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