光を背負う、僕ら。―第1楽章―
するとさすがに流歌もあたしの押しに負けたのかして、渋々とした感じで言う。




「…そう?ならいいんだけど。」



「うん、平気だから大丈夫。二人とも、心配してくれてありがとう。」




本当に心から、ありがとうって思った。



あたしは二人に内緒にして悩んでいることだってあるのに、二人はいつだってあたしを気にしてくれる。




感謝しても、感謝しきれないね。



…待ってて。


いつか必ず、あたしのすべてを話すから。



だから、もう少しだけ…。





「明日美ちゃんと流歌ちゃんと佐奈ちゃんは、どうする?」




あたしがまた胸の内で一人考えていると、鈴木先生はそう尋ねてきた。



鈴木先生の問い掛けに、あたし達三人は顔を見合わせながら考え込む。




そういえばさっき、明日美にも同じようなこと聞かれたっけ。



それで悩んでもいたんだけど…。



…それより、明日美と流歌は行くのかな?




二人の様子を伺うように見ていると、明日美が最初に口を開いた。





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