光を背負う、僕ら。―第1楽章―
やっぱりすごいな、東條学園って。



こんなにも有名な音楽家達が卒業してるんだ…。




あたしが見ているのは卒業生の紹介がされているページ。



そこを、熱心に読んでいく。



そのページにはさっき先生が紹介していた三人以外にも、たくさんの音楽家達が紹介されていた。



日本で活躍している人達から、世界で活躍する人まで様々。



もちろん、小春ちゃんのお母さんの名前も載っていた。




すごいなー…。




見たことや聞いたことのある名前が載っている度に、あたしは驚きと尊敬の気持ちでいっぱいになっていく。



そんなあたしだけど、ふとある名前を見つけた瞬間、今までとまったく違う気持ちで胸が満たされた。




「なん…で…。」




掠れて震えた声が、自然と出てきた。



ただ見つめるのは、さっき見つけた名前だけ。





【笹川詩織】





見つけたのは、その名前。



お母さんの、名前だった……。




どう…して?



どうしてお母さんの名前が、ここに載ってるの?



お母さんは、爽守高校の卒業生じゃなかったの――?




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