光を背負う、僕ら。―第1楽章―
「そうだけど、それが大事な話なの?」




あぁ…。



やっぱりぶつかる壁は大きすぎる。



あたしにこの壁は、乗り越えられますか――?




お母さんの言葉聞き、あたしの心は再び崩れていった。



きっと一度目よりも、修復するには時間がかかるよ。





あたしは無言のまま、背中に隠していたパンフレットをソファーとソファーの間に置かれているガラステーブルの上に置いた。



その瞬間、かすかにお母さんの眉毛が動いたことを、あたしは確かに見逃さなかった。




「今日、鈴木先生にこのパンフレットをもらったの。一緒に、体験入学の説明もされた。だけど、言いたいのはそれじゃない。」




パンフレットを開け、あの名前を指差す。




「…これ、お母さんだよね?…どういうことなの?」



「それは…。」




お母さんは言葉を詰まらした。



顔には、焦りが現われている。




「お母さん、さっきも言ったよね?爽守高校の卒業生だ…って。なんで、…なんで嘘ついてたの?」




行き場のない感情が、今になって溢れ出してしまった。




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