光を背負う、僕ら。―第1楽章―
本当は、責めたりして聞きたくない。



だけどどうしても、感情的になってしまう。




「ねぇ…なんでなの?なんで、嘘なんか…。」



「…ごめんね。」



「えっ…。」




確かに…確かに言った。



“ごめんね”…と。




それはつまり、嘘をついていたことをお母さんが認めたということだった。




だけどあたしの心は晴れもせず、軽くもならない。



ただ目の前に改めて事実を突き付けられただけで、漠然としたショックだけが心を満たしていった。



…とその時、お母さんがスッと立ち上がった。



もちろん、どうして立ったのかはわからない。




「…お母…さん?」



「…少し、待ってて。見せたいものがあるから。」




お母さんはそそくさとリビングを出ていってしまった。




「見せたいものって、なんだろう…。」




リビングに一人残されたあたしは、お母さんの言葉の意味を考える。




今この場で必要なものだと思うんだけど…。



いろいろと考えてみるけれど、やっぱり思い付かない。




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