光を背負う、僕ら。―第1楽章―
決められた道
あたしがあんなに悩んで、
あんなに泣いたのは、
すべてこの時が始まりだった。
すべての運命は、
この時から
動き出していたんだ――…。
キーンコーンカーンコーン…
「おーい、席着けよー」
チャイムが鳴ると同時ぐらいに、片手に名簿を持った担任の先生が、席に着いていない生徒に注意しながら教室に入る。
注意されて席に着く生徒の姿がちらほらと見える。
それでもまだ席に着かない生徒の頭を、先生は軽く名簿で叩く。
「痛ぇっ!」
生徒は少し痛そうに声を発した。
頭を叩かれた生徒が頭を擦りながら振り向く。
先生は振り向いた生徒に向かって言った。
「さっさと席に着かんか!! それでも受験生か!?」
“受験生”―…。
その単語がやけにあたしの頭に残る。
とても、鮮明に。
直接注意された生徒は、文句があるような表情をしながらも、渋々自分の席に着いた。
その姿を見た先生は教卓の前に行き、少し声を張り上げて言った。