光を背負う、僕ら。―第1楽章―
もし、お母さんが嘘をついたことに意味があったのならば、それは一体何だというのだろう。



有名な学校の卒業生であることに、恥じることなどないはず。


むしろ、誇れること。



なのにそれでも嘘をついてまで隠す理由って、一体……。




ふつふつと頭の中に浮かんで湧く疑問の答えを、何度も考えては見つけ出そうとした。



だけど答えは結局、謎の中に埋もれてしまった。



だけど、埋もれたままは嫌だから。


ちゃんと最後まで真実を知り続けたいから。



だからどんな理由があったとしても、あたしは聞こうと決めたの。



そう……。


決めたのだから。





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