光を背負う、僕ら。―第１楽章―
今日あたしは、改めてピアニストになりたいと思っていることに気付いた。



きっかけは、東條学園の体験入学の話。



あれを聞いて、自分の中にピアノに対する強い思いがあることを知った。



そんなあたしだからこそ、もう決意は揺るがない。




自分の本当の夢。


自分で決めたことだから。



だからどんなに辛いことや苦しいことが目の前に立ちはだかっていたとしても、あたしは進むと決めた。



自分が目指したい、その場所へと――。





「ずっと言えなかったけどあたし、お母さんみたいなピアニストになりたいって思ってた。ピアノを弾かなくなってからも、ずっと。…あたし、ピアノが好きなの。好きなピアノのことなら、どんなことでも乗り越えられる。あたしはそう……思ってる！」




胸の内をすべてさらけ出すように、必死に思いを言葉に変えた。



長年心の中で溜まり込んでいた思いをすべて告げるのに、あたしはそうとうな体力と気力を使ったらしく、言い終わった瞬間ドッと疲れが体を襲った。





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