光を背負う、僕ら。―第1楽章―
あたしは鍵をかけたことによって気が抜けたのかして、足の力が一気に抜けた。



そしてその拍子で崩れ込むように、床にペタンと座り込んだ。




「……はぁー。」




ドアに背中を預けて、長い溜め息を一つする。



……その瞬間だった。





ドンドンッ!!
ドンドンッ!!





もたれかけていたドアが誰かに叩かれたらしく、衝撃で激しく震えて、あたしの背中に振動を与える。



突然の出来事にあたしは驚き、パッとすかさずドアから離れた。




「佐奈っ!!いきなりどうしたの!?しかも鍵なんか閉めて!なんでいきなり、逃げるようなことするの!?」




ドアを叩いたのは、紛れもなくお母さんだった。



結構あたしに追い付いていたらしく、今はこの部屋のすぐ前にいる。



お母さんは開かないドアの取っ手をガチャガチャと動かしたり、ドアを何度も叩いたりしながら言った。




「佐奈、どうしたのよ急に。何がしたいの?こんな急に、逃げるみたいな行動して…。」




お母さんは少し冷静さを取り戻したらしく、声のトーンがさっきよりも柔らかかった。





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