光を背負う、僕ら。―第1楽章―
きっと人はみんな、バラバラな答えを言うのだろうね。



時には、同じような答えがあるかもしれない。



だけどね、その答えに対する思いはその人だけのものなんだよ。



だって譲れないものに対する思いは、それ以上に誰にも譲れないはずだから……。




そして人はそんな譲れないものを常に胸に抱き、確かな日々を過ごしている。



譲れないものを、誰よりも大切にしながら。




あたしは、そんな生活をしていきたい。



譲れないものをいつしか生き甲斐にしながら暮らしていける、そんな生活を――。




だから、どうか。



あたしの譲れないものをお母さんにもわかって欲しい。



あたしが譲れないもの。



それは―――。





「あたし、どんなにお母さんに反対されても、ピアノを好きな気持ちは諦められない。だってあたしは今でも、お母さんの言う通りピアノが好きだから。」




【ピアノへの思い】




きっとそれはあたしの全てであり、これからも切り離すことなどできないもの。



今ならお母さんにだって、胸を張って言うことが出来る。



それほどこれは、あたしが一番譲れないものだから。





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