光を背負う、僕ら。―第1楽章―
やっぱりそこはお母さんが言っていたように、厳しく辛い道なのかもしれない。



本当はもっと、あたしなんかには到底手の届かない遠い世界なのかもしれない。




そんなことを考え出してしまうと、足はまるで石になってしまったように固まる。



あたしの中に潜んでいたネガティブかつ臆病な心が、あたしの体を支配していた。




「そろそろ行こっか。」



「…あっ、うん。」




明日美の言葉で、ふと我に返った。



明日美が先頭をきって歩きだすのに続いて、流歌も歩き出した。



あたしも二人に続いて歩き出そうとする。



……だけど。



足はまだ石になったまま、動いてくれなかった。



そのせいであたしだけがその場に立ち止まった状態になり、二人だけが前へ進んでいく形になる。




…その瞬間、世界が真っ暗になった気がした。



真っ暗な闇の中を、明日美と流歌だけが遠くに見える唯一の小さな光に向かって歩いていく。



ただ、ひたすらに光を目指して。


ためらうことなく突進んでいく。



踏み出すことの出来ない、弱虫なあたしだけを取り残して……。





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