光を背負う、僕ら。―第1楽章―
ただ、すごくこれだけは思った。



ついにここに来たんだ……って。



先生やお母さんの話でしか聞いたことがなかった東條学園に。



あの写真でしか見たことがなかった東條学園に。



とうとうあたしは、来たんだ。



こんな風に思えたのは、まだよく知らないこの学校に来れたことが、あたしの心を刺激していたのかもしれない。



あたしはぐっと心に力を込めて、二人と前へ進んだ。






「あっ、みんなだよ!」




東條学園の正門に近付いた頃、流歌が正門の脇を見ながらそう言った。



間近で見る建物をしみじみと見ていたあたしは、流歌が向いている方を見る。



するとそこには流歌が言うように、部活のメンバーと鈴木先生が集まっていた。




「先生、おはようございます!」



「三人とも、おはよう。」




先生に向かって挨拶をすると、先生はいつもよりやけに輝いて見える笑顔をあたし達に向けた。



特に最後にあたしを見て、一層にっこりと微笑んだように思える。




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