光を背負う、僕ら。―第1楽章―
「ねぇ、何が始まるのかな?」



「…わからないね。」




隣りに座る流歌と小声で話しながら、ただ目の前の光景を見る。



あたし達の目の前には、在校生の人達がたくさん現れていた。



しかもどの人も、手には様々な楽器を持っている。




一体、何が始まるのかな…。




ただ黙って待っていると、在校生の一人が話し始めた。



その瞬間周りで喋っていた人の声が、ピタリと止まる。




「みなさん、こんにちは。今日は東條学園の体験入学に参加していただき、ありがとうございます。ここでは今からみなさんの来校を記念して、一曲演奏させていただきます。」




静かだった空間が、一瞬だけざわついた。



だけどそれも在校生の人の言葉で、遮られる。




「それではみなさん、どうか最後までご清聴ください。」




その在校生の人は一礼すると、近くに用意されていた指揮台に登った。



あの人はどうやら、指揮者だったみたい。



指揮者である在校生が指揮棒を手に取ると、楽器をスタンバイしていた在校生達がすっと構えた。



その瞬間、周りの空気に緊張感が漂う。





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